出費を見直して、 家計のシェイプアップ!
イベント続きの年末年始が終わり、生活は徐々に通常モードへ。キャッシュレス還元も6月に終了予定のため、増税後の出費増加をじわじわと実感する1年になりそうです。そんな今年は、財布の紐をさらに締める必要もあるかもしれません。では、無駄な出費を減らすにはどうしたらいいでしょうか?まずは、いまの出費を見直すことからはじめてみましょう。その次に具体的に出費を減らす工夫を行うことが重要ですが、成功のコツは「思い切る」こと。ご自身も赤字家計から脱出したファイナンシャルプランナーの二宮清子さんに伺いました。
住居・保険・光熱費など固定費からチェック!
一説には、家庭の使途不明金は年平均で約100万円あるといわれており、月に換算すると約8万円になります。このように、意識せず使っているお金がいかに多いかを認識できれば家計はシェイプアップできます。
そのためのセオリーは、まず「固定費」→「変動費」の順番で見直すこと。固定費とは、家賃やローンも含めた居住費、保険、電気・ガス代の光熱費、携帯電話の契約内容を指します。居住費のなかでもローンは、金利を見直して金融機関と相談しましょう。
保険は生命保険・損害保険ともに加入している商品が、家計にあったものかを一度見直してみましょう。
例えば、「世帯主だから」とご主人の生命保険に入院費を1日10,000円や15,000円とつけている場合がよくあります。ですが、会社員であれば傷病手当金がつくので、病気や怪我をしたからといって給料がゼロにはなりません。高額医療費制度も活用できます。会社員か、経営者か自営業者かの状況を踏まえて、適切な契約内容を考えるといいでしょう。
さらに、複数の生命保険に加入している場合は保障項目が重複していることも多々あります。内容を改めて本当に自分にとって意味があるのかどうか、確認すると良いと思います。損害保険は、内容は各社で大きく変わりません。掛け捨てなら保険料が安い方を選んでも良いかもしれません。
電気・ガス代は、特に家族構成が変わったら見直し時です。子供が進学や就職で家を出たり、専業主婦の方が仕事を再開したりしたら、深夜電力に切り替えることをおすすめします。
電気料金は、料金の安くなる10:00PM~8:00AMまでの間に食洗機や洗濯機を使うだけで変わってきます。電力会社各社のホームページでシミュレーションできますので、一度試してみてください。
そして、出費のなかで見逃せないのが携帯料金です。まだまだ大手携帯電話会社を利用している方が多いですが、ファミリー割にしたり格安携帯に切り替えたりするだけで変わってきます。月平均は1台8000円~10,000円程度。格安携帯のなかには場合によっては半額になる可能性もあるので、一家で3~4台利用している場合、かなり出費をおさえられます。携帯をどのように利用しているのか振り返り、不要な要素は削ぎ落としシンプルに使って節約してみましょう。
変動費の節約を心がけて、出費を減らす
また、家庭で一番電力を使う冷蔵庫やエアコンは、省エネ性の高い商品に思い切って買い替えも考えてみましょう。なかなか壊れない家電なので買い替え時をのがしている家庭も多いかもしれませんが、15年ほど前の商品であれば現行の商品との省エネ度合いの差は歴然としています。環境省のサイト「しんきゅうさん」で省エネの比較ができますので調べてみましょう。長い目で考えると、買い替えるのもひとつの手です。
もちろん、食費や日用品の出費を減らすことは重要項目です。節約のコツは「普段使いの買い物」は安い店を選んで利用することです。スーパーとドラッグストアを比べると、ドラッグストアの方が、日用品や豆腐、卵、牛乳などの日配品が大幅に安いことが多いです。ドラッグストアを上手に活用し、特売品や生鮮品はスーパーでというように買い物先を見直してみましょう。
とくにこだわりがなければ、宅配サービスでの食品購入を思い切って止めるのも大切です。規定の金額にするためやカタログで注文することにより、不要な商品を買ってしまうことを避けられます。ほかに、宅配ピザなら店舗に引き取りに行って安く購入できることも。クーポンなども上手に活用しましょう。
出費を抑えるコツは思い切ったレベルダウン
節約を心がけると、これまでの生活より我慢を強いられているため、途中でギブアップしてしまう人も多いかもしれません。それを避けて継続するためには、「生活レベルを思い切って下げる」のと「ゲーム感覚」がポイントです。
「松竹梅」を例で考えると、人は「竹」を選びがちですが、思い切って「梅」を選んでみましょう。そうすると「こんなに安いんだ!」という発見があったり、もっと安いものを探してみようとしたりとゲームのようなワクワク感が出ます。それでダメなら、少しランクを上げればいいんです。
というのも、節約のレベルを少し下げるだけでは失敗しやすいんです。私の経験や家計のシェイプアップを成功させたお客様は、2~3ランク一気に生活レベルを下げています。「少しずつバランスをとって」と考えても、実はそこまで節約できる金額が変わらないため、失敗しやすいといえます。
また、手もとにあるものを整理するときは、自分が「本当にいい」とワクワクしないものを思い切って捨てるのもいいでしょう。捨てることで「自分はこんな不用品を買うために働いているわけではない」と実感できます。すると、徐々に「『あったら便利』程度のものはいらない」と思えるようになり、例えば、100円ショップでついつい「便利だ」と無駄に買うこともなくなっていきます。
物の整理では、引っ越しのタイミングで家具や洋服などたくさんリサイクルに出しても手にするお金の少ないことに気づき、購買行動を真摯に見直すお客様も多く見てきました。ほかにも、駅に近く利便性が高い場所に新たな住居を構えることで、これまで2台だった車が1台に減り、長期的に考えると大幅な家計シェイプアップになったお客様もいます。
車を減らすことまではできなくても、洋服や理美容費、交際費を見直すだけで月1万円は節約できる場合もあります。冒頭で紹介した家庭での使途不明金をなくすためには、家計簿をつけることが必要。少し手間になっても、出費を減らしていくためには必要なことと思い、家計簿をつけはじめてみるのもいいでしょう。
二宮清子さん
家庭科教師時代に「家計管理」を生徒に教えていた経歴がありながらも、主婦時代に赤字家計に転落した経験から「お金の大切さ」を痛感してファイナンシャルプランナーに。『ALL About』で家計簿・家計管理ガイドとしても活躍中。