まだ間にあう?新年度の準備!

まだ間にあう?新年度の準備!

目次

子どもの新生活に必要なものは

夫の転勤!転居の準備はどうすればいい?

スムーズにはじめたい、新生活での人付きあい

新入学など、まだ間に合う?新年度の準備!

新生活スタートの4月をひかえて、そろそろ準備に入るかたも多い時期です。子どもの進学、引越し、転職、習いごとなど、新しい環境でスムーズにスタートをきるためお金のことから心がまえ、対処方法まで、「NPO女性自立の会」の有田宏美さんに伺いました。

 

 

子どもの新生活に必要なものは?

新生活といえば、まず思い浮かぶのが子どもの進学。とくに、学校生活の必需品が多い小学生~高校生までは、用意すべきもの、年間に必要な金額をしっかり把握しておきましょう。

<小学生編>

年間学習費(平均):公立小学校32万2,000円 私立小学校152万8,000円
子どもも親も環境が一変する小学校入学。入学式までに揃える必要があるものを、おさらいしておきましょう。
学習費出典:子どもの学習費調査(文部科学省平成28年度版)学校教育費、学校給食費、学校課外活動費を含む

必要なものリスト(一例)
ランドセル 上履き / 上履き入れ
入学通知書 体操着 / 体操着入れ
教科書 体育館シューズ
筆記用具(鉛筆、消しゴム、筆箱、ノート、下敷き、はさみ、のり、色鉛筆12色など) 雨傘

ランドセルや学習用具など揃えるものが多いなか、忘れてはいけないのがそれぞれへの名前入れです。すべて手書きで行うよりも、名前シールや名前スタンプを使うほうが効率的です。気をつけるべきは、子どもがパッと見ても分かるようにひらがなを使うこと。名前スタンプはネットで注文もできるので、ご自宅に届く日を確認して余裕をもって準備しましょう。

<中学生編>

年間学習費(平均):公立中学校479,000円/私立中学校1327,000

一般的に制服が必要になるのは中学生からです。直前で慌てないように、学校からの案内をよく読んで計画して準備を進めましょう。

必要なものリスト(一例)
制服一式 筆記用具
シャツ / ブラウス 上履き
ベルト(男子) 外履き
通学バッグ 体操着 / 体操着入れ
サブバッグ 体育館シューズ
教科書 ヘルメットやかっぱ(自転車通学の場合)

成長期のため、制服やシューズは買い替えが頻繁になるのが中学生です。部活をはじめる場合、合宿やユニフォーム代などの出費があります。年度はじめにおおよそ必要な金額は顧問の先生から提示されますが、例えば大会を勝ち進んだ場合など予定外の出費が増えることも。余裕を持ってお金の用意をしておきましょう。

また、地域により通学に使う自転車が必要になる場合も。必需品の揃え忘れがないようにしましょう。

<高校生編>

年間学習費(平均):公立高校(全日制)45万1,000円/私立高等学校104万円
電車通学をはじめたり、予備校に通いはじめたりと、子どもの生活圏が一気に拡大し、環境が変わるのが高校生。その点を親も気にかけながら、学習環境を整えるための準備も怠らないようにしましょう。

必要なものリスト (一例)
制服一式 外履き
シャツ / ブラウス 体操着 / 体操着入れ
通学バッグ 体育館シューズ
サブバッグ お弁当箱
教科書 定期入れ(電車やバス通学の場合)
筆記用具 電子辞書
上履き  

高校生になると、大学進学のために予備校通いをはじめる場合も。ほかにも、お弁当や交通費など、学校にかかる費用以外の毎月の出費も増えます。これを踏まえて、金銭面の準備を早くから整えるようにしましょう。

進学準備のポイント 

制服や学用品などの準備は、学校の案内を読めば過不足なく進められます。ただし大学進学を考えた場合、入学金や授業料などは早くから準備をする必要があります。このため、まずは児童手当(子ども手当)の貯蓄がおすすめです。

● 貯蓄例

(1)児童手当(29歳)

15,000円 × 12(ヵ月) × 8(年間) =144万円

(2)貯蓄(家計から毎月1万円。誕生から18歳まで)

10,000円 × 12(ヵ月) × 18(年間) =216万円

合計360万円の貯蓄が可能!

 

大学進学で子どもが上京するケースも多いので、そのときに焦らないためにも進学費用の計画は早めに立てましょう。

  • 児童手当の支給額は子どもの人数などにより異なります。

夫の転勤!転居の準備はどうすればいい?

転居の心がまえ

数ヵ月前から準備ができればいいですが、転勤の辞令がおりてから転居までの時間が短い場合がある転勤。準備に追われるのはもちろんのこと、新天地での生活を不安に感じる人がほとんどです。住み慣れた土地を離れて、新しい環境に移るために心を整え効率よく準備するコツをお教えします。

転居に必要な手続きリスト (一例)
転出届 電気・ガス・水道の解約と新規手続き
転入届 NHK、固定電話の移転と新規手続き
国民年金住所変更手続き インターネット回線の解約と新規手続き
国民健康保険住所変更手続き (自家用車がある場合)車庫証明
印鑑登録 郵便物転居届
マイナンバー住所変更手続き ほか、銀行や各種保険、クレジットカードの住所変更手続き
子どもの学校関係の転校手続き 引越し業者の手配

「新しい環境での生活に不安や焦り、孤独を感じるのは誰でもあることです。そこで重要なのは、焦りすぎないこと。新天地でのおすすめは、新しい街で居心地のいい場所を探すための“散歩”です。例えば気になるカフェを見つけて何度か通えば店員さんと顔見知りになり、会話がうまれることも。店員さんの迎え入れてくれる雰囲気が、新しい環境の不安を解消してくれたりするものです。また、散歩をして街のいいところを知れば、住んで“良かった”と思えますし、見知った経験は新たに出会った人との会話の糸口にもなります。」(有田さん)

夫が海外転勤!? 夫についていく? 日本に残る?

グローバル社会の現在、転勤は国内だけではなく海外もありえること。夫に単身赴任をしてもらうか、家族で転居するのか。経験者に話を聞いてみました。

単身赴任派(40代主婦/夫は食品メーカー勤務)

長女が中学2年生で受験を控えており、また、次女も小学校4年生になって少し手が離れたので薬剤師の資格を生かして私がパートに出はじめたタイミングでの辞令でした。そこで、夫には単身赴任をしてもらうことに。期間が1年と限定だったことも大きいですね。夫は久々に、それも海外で単身生活を満喫してリフレッシュしたのが気分転換になったのか、帰国してからは育児にも積極的に参加してくれています。

家族同伴派(30代主婦/夫は機械工業メーカー勤務)

子どもが小さかったのもあって、日本からタイ、シンガポールと2度転勤に同伴しました。大変だったのは現地での生活の立ちあげ。住まいは会社から紹介を受けた現地不動産が提示した物件のなかから選びましたが、土地勘もなければ治安もわかりません。夫の通勤に便利か、子どもの学校に近いかなど家族の生活スタイルにあわせた落としどころを探して選びました。もちろん、家族分の荷造りも大変です。海外へ送る荷物は、鉛筆1本でも規定の書類に値段を書く必要があるのです。何を持っていくか、すぐ使うものは飛行機便で、後から届いてもいいものは船便と分けて考えることも大切。優先順位を考えて選択することの連続でした。辞令を受けて2~3ヵ月以内に日常生活を営みながら準備をするので、とにかく忙しいの一言に尽きます。海外赴任に同伴する場合、時間のない中で対応するからこそ、計画を立てて行動することが大事になりますね。

スムーズにはじめたい、新生活での人付きあい

人付きあいで肝心なこと

新生活とともに、初対面のかたとお付きあいする機会も増えます。そこで“頑張りすぎてしまう人”は、とても多いんですね。自分らしさより、相手を軸にして考えると疲れてしまいます。人間関係は近くなりすぎるとトラブルが起こりがちなので、距離感を大事にすることを心がけましょう。

新生活を快適にする3つのルール

快適ルール① 自分の幸せの基準を持つ

幸せの基準は人それぞれです。例えばお子さんをお持ちの場合、ママ友にあわせて家計に見あわないランチに付きあっても疲れてしまうだけです。そして最初に無理をしてしまうと、自分が苦しくなるばかりか、家計に悪影響をおよぼすことも。最初から肩の力を抜いて、自分らしい幸せの基準のなかで新しい人付きあいをはじめることが大切です。

快適ルール② 比べない気持ちを大事に

旧友と新しい友だち、以前住んでいた街と新しい街などを比べて、悪いところばかりを数えるとネガティブになってしまいます。新しい生活がはじまったら、そこでは“いいところ”を探すようにしましょう。自然と、自分が笑顔でいられる生活になっていくはずですよ。

快適ルール③ リセットのチャンスととらえる

新生活は、それまでの悪習慣を断つ、リセットのチャンスです。そこで大事になるのが“居場所作り”です。まずは引越しの荷物を解いてきちんと片付けて、自分の心地よい居場所=家を整えるようにしましょう。新天地での生活リズムがつかめなくても、帰宅してホッとする家にいるだけで心が落ち着いていくはずです。

新生活を迎えるときは、新たな出会いにわくわくする一方で、これまでの生活と変わることに不安になることもあります。ですが、ママ友やご近所付きあい、新天地での生活も、自分らしく楽しく過ごすのが一番です。

有田宏美さん

「NPO法人女性自立の会」理事長、「一般社団法人NTSセーフティ家計総合研究所」カウンセリングセンター長。女性が自分の人生を環境やお金に振り回されることなく、自分らしく生きることをテーマに活動をしている。