寒くなる前に夏で疲れた身体をメンテナンス
今年は梅雨が長引き、そこから暑い日々が続いたことで、秋になっても疲れがとれない人もいるはずです。特に季節の変わり目である9月は、朝夕が涼しくても日中は暑く寒暖差が激しいこともあり、自律神経の乱れを引き起こして体調を崩しやすくなることも。夏の疲れをしっかりとり、年末まで健やかに過ごすためには、このタイミングでの身体のケアがとても大事になります。食欲不振、疲労感、なかなかとれないだるさを軽減させる、日常的なちょっとした身体への気づかいの方法をチェックしてみましょう。
いまの疲れはどのくらい?自分の体調を確認しましょう
日々の家事や仕事で活動的に過ごしていても、目の前にやることがあるからと気力で動けているだけで、身体は疲れているかもしれません。例えば、「頭がボーっとして働かない」「すぐに横になりたくなる」「食欲不振」「ふらつくことがある」「肩こりがある」「化粧ののりが悪い」などを、いつもより強く感じることはないでしょうか?
■身体の疲れチェック
思い当たる項目をチェックしてください。チェックの数が多いほど疲労度が強くなります。
□頭がボーッとして働かない
□寝ても身体のだるさがとれない
□すぐ横になりたいと思う
□やる気が出ない
□食欲が落ちている
□むくみが気になる
□手足が冷えている
□めまいを感じたりふらふらしたりする
□肩こりがある
□頭痛がある
生活を工夫して身体の疲れを回復させる
自分が疲れていることを確認したら、次は疲労回復のためにできることをやってみましょう。
① 食事を工夫する
はやりの糖質オフですが、極端に炭水化物を控えると脳や身体が動くために必要なブドウ糖を摂れないため逆に疲れやすくなります。炭水化物は自律神経を調節する物質「セロトニン」を作るのにも必要。秋は寒暖差の激しさにより自律神経が乱れ不調を引き起こしやすいので、極端に炭水化物を摂らないのも考えものです。疲れがとれないのであれば、炭水化物摂取を控えるのは夕食だけにするなど食事を見直しましょう。
また、食欲が落ちているにも関わらずに、こってりしたスタミナ料理を食べると消化をするために胃腸に負担をかけてしまいます。消化のよいものを選び、家族や親しい友人とゆっくり話をしながら食事を楽しむなどしてみましょう。
② 睡眠時間をしっかりとる
「睡眠負債」という言葉があるように、「寝付けない」という悩みを抱える人は増えている傾向に。特に、女性は家事や育児の負担による睡眠不足以外にも、月経周期に伴う女性ホルモンの分泌量の変化により眠気を感じやすい時があります。そこで十分に眠れていないと睡眠不足と感じやすくなります。
できれば6時間以上の睡眠時間をとりたいですが、なかなか難しいのも事実。そこで、平日の睡眠不足を休日に補うように工夫しましょう。ただし、「休日でも朝起きる時間を変えない」こと。疲れたからと目が覚めるまで寝て、例えば夕方に起きると、明るい時間に活動して暗くなったら休息する「生体リズム」が崩れてしまいます。休日の前夜は早く寝て、いつもと同じ時間に起きることが平日の睡眠不足を挽回して疲れをとる近道です。
③ いやされる空間作りをする
疲れをいやすための週末の温泉旅行……実はこれは、疲れがとれない行動です。移動の疲れだけでなく、温泉に入ることで体温や血圧が急変するため、運動するのと同じことになります。それよりも、何もしないで家でゴロゴロしていたほうが疲労回復のためにはいいことです。
そんなゴロゴロできる時間を、より効果的に使うために知っておいたほうがいいことがあります。まずは「時々、窓を開ける」こと。風を通すことにより室内に“ゆらぎ”が生まれます。この“ゆらぎ”がある環境にいると人は安心して心地よさを感じ、また疲れを軽くする効果があると言われています。そして、「新緑の香り」をかぐこと。新緑の香りは科学的に抗疲労効果が認められています。緑茶、観葉植物、市販の芳香剤でもかまいません。
疲労回復で心がけたい行動
① ハードな運動を避ける
② 深い呼吸を心がける
自律神経を整えるのに必要なのは「呼吸」です。ストレスや緊張しているときは、「交感神経優位」の状態にあるため、呼吸は浅く早くなっています。リラックスしている状態の「副交感神経」の働きをよくするためにも、「3秒吸って、6秒吐く」呼吸を意識して毎日1分間行いましょう。続けることで自律神経を整えることにつながります。
③ 冷えを感じたらレッグウォーマー
手足の冷えが気になる場合は、足首だけ温められるレッグウォーマーをはきましょう。全身の血流が上がる一方で、足の裏からは熱が放出されやすいので眠気を誘いやすくなります。靴下だと足からの放熱が妨げられて深部体温が下がりにくくなるため、寝つきが悪くなりおすすめできません。
④ 右向きで寝る
仰向けは舌の根本やのどの筋肉が下がり空気が出入りしにくいため、脳が酸欠気味になります。仰向けは疲れがとれにくい寝方なのです。右向きで寝ると、胃の消化も助けられて自律神経の負担が減るため、疲労回復を促してくれます。
⑤ 鶏むね肉を食事に取り入れる
疲労回復効果が科学的に証明されているのが「イミダペプチド」という抗疲労成分。イミダペプチドが多く含まれているのが、鶏むね肉。鶏むね肉(皮なし)100gで1日に必要な200mgのイミダペプチドを摂取できます。カロリーは108Kcal、たんぱく質は22.3gとヘルシーなので、食事に気をつけている人にもうってつけの食材。積極的に日常の食事に取り入れましょう。