雨の日は部屋のお片付け。1分で捨てる物を見分ける方法
「整理整頓された、スッキリした家で暮らしたい!」と思っても、整理が苦手だったり、室内に物があふれて片付かなかったりする人も、多いかもしれません。そこで、室内で過ごす機会が多くなる梅雨に、ポイントを覚えて部屋を片付けましょう!書籍・雑誌・テレビなどで活躍中の整理収納アドバイザーの須藤昌子さんに、部屋をスッキリ整理するテクニックを教えていただきます。
まずは部屋を片付ける目的を明確に!
まず、片付ける部屋を「どうしたいか」「どう使うか」を考えることから、はじめましょう。例えば、「勉強や趣味に集中できる機能的な部屋にしたい」や「寝室はリラックスするだけでなく、着替えまでできる部屋にしたい」などです。目的が決まれば、おのずとその部屋に必要な物も決まってきます。
それから残す物と捨てる物の取捨選択がはじまりますが、なぜ部屋を片付けるときに「物を捨てなさい」と言われると思いますか? “物がなければきれいに整いやすいから”です。物が多い部屋をおしゃれに整えるには、テクニックが必要で、なかなか難しいこと。片付けが得意でない人ほど、物を少なくして部屋に空スペースを作ってから整理するほうがやりやすいでしょう。
ただ、自分の部屋であれば自由に決められますが、リビングや共有スペースは家族の考えもあって、思うとおりに整理整頓をできないこともあると思います。その場合は、家族それぞれのスペースを作ることで、散らかることを防げます。また、「自分専用の棚」などを決めて一部だけを整理するのもひとつの手段です。
試しに、手を出しやすいところの1カ所でも模様替えをしてみるとモチベーションアップにもつながります。例えば、シャンプー・リンスなど詰め替えができるものを好みのボトルに変えてみましょう。見た目が揃ってきれいになることを実感できるので、整理整頓の楽しさに目覚めるきっかけになると思います。
整理整頓が苦手な人ほど、片付けるための動機を明確にして、小さいところからはじめてみましょう。
あふれた物を残す、減らす選択の基準とは?
部屋にパンパンに物が詰まった状態では、片づけて使いやすくしようとしても右から左へ置き場所を変えるだけで、根本的な解決にはなりません。どうしても「もったいないから」「高かったから」「まだ使えるから」「もらい物だから」など、さまざまなしがらみにより、捨てられない物がどんどん溜まっていきます。
増えた物を選別していくポイントは「使っているか」「使っていないか」です。必要か不要かではありません。物は使うためにあるもので、使われないために生まれて来たわけではありません。ですから、使うことを前提に、好きな物を残していくようにしましょう。
使っていない物で判断できない場合、捨てる目安は「1年使っていない」ことです。ただし、子供のころから大事にしているぬいぐるみやタオルなど「これがあることで頑張れる」など、自分を保つために必要な物は残してもいいでしょう。
また、キッチンは調理道具やストック食材などで、物があふれがちな場所です。ポイントは家族の人数や収納にあわせた適量を置くこと。以前、整理収納レッスンにお伺いしたお宅は、夫婦2人でしたが、2人分の料理を作るには大きすぎるフライパンがあって、このひとつだけで収納場所をとってしまい、他の物が収納しづらい状態でした。
また、物を増やさないテクニックとして、「種類でまとめる」という方法があります。洗面台の鏡の裏の限られた収納スペースに、整髪スプレーやシェービングフォームなどを詰め込んでしまったために、何をどれくらい使っているかがわからず、どんどん同じ物が増えてしまうこともあります。そんなときは、種類ごとにまとめて「これだけ持ってる!」ことを視覚で確認できるよう、同じ場所に保管するようにしましょう。思っている以上に物が多く、断捨離しやすくなります。
家のサイズ・収納スペース・生活スタイルで、残しておく物は変えないといけません。ただ、難しいのが適量の決め方。適量にするには、収納スペースを決めてあふれるようなら買わないこと。そして、決めたスペースに“入るだけ”を視覚で覚えるように心がければ、自分がどれだけの物をすでに持っているかがわかるので、安いからと大量に買ったり、限定品に惑わされたりしないようになります。快適に過ごすために、物の持ち方を変えることを心がけましょう。
整えた状況を保つためのテクニック
もっとも大事なことは、「捨てたときの後ろめたさを忘れない」ことです。そして、残った「使う物」の収納場所を決めること。決めないでいると、空いているスペースに詰め込んでしまったり、ストックがあるのに買ってしまったりして、いずれ物があふれた状態に戻ってしまいます。それを避けるためにも定位置を決めて、ひとつ買ったら、ひとつ捨てるルールも設けてみましょう。
そして、「新しい物を買うとき」は「選びぬいた物」にすることです。これまで家になかった物を「仲間に入れるか」悩むことで、「置く場所がなかったら買えない」ことにも気づくと思います。
だからといって、整理整頓のために収納用品を新たに購入してはいけません。「スペースが空いている」から「買わなきゃ」となってしまうからです。整理整頓をして、タンスやキッチンの引き出しがひとつ空いたりすると「埋めたく」なりがちですが、埋めなくていいのです。空いたスペースは、心の余裕のあらわれととらえて、急に増えた物などのための一時保管場所にすればいいでしょう。
また、見た目を揃えるために詰め替えボトルや整理収納用品を買う場合は、同じ種類や好みのデザインの物を買うとおさまりがよく飽きない、まとまりのある部屋ができます。見た目が整うと、より気持ちも整い、きれいな状態を維持したいというモチベーションにもつながるでしょう。
須藤昌子さん
フラワーデザイナーから整理収納アドバイザーに転身。『リバウンドしない収納はどっち?』(KADOKAWA)、『死んでも床にモノを置かない』(すばる舎)など、収納に関する著書がある。「おうちスタイリングレッスン」やセミナーも積極的に開催。ブログ『ROOM COZY』はランキング上位の常連。